密/室(仮店舗)

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更新記録

・アン石SS「It's your "sweet"room」を掲載。

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■It's your "sweet"room■

■アン石SS■



It’s your “sweet”room


「…アントニオ…?」
 真夜中、取り残された一人のベッドで目が覚めた―――ような気になった。
 実際はちゃんと二人で寝ていた。馬鹿みたいに広いベッドで。
 ベッドが広いので、いつもみたいにアントニオがべったりくっついていないのだ。
 体を起こして隣を見ると、年若い助手は安らかな寝息をたてていた。

 依頼人がオーナーのリゾートホテルだ。
 紆余曲折の末、なんとか真犯人を自首させたという形で事件は終わった。まあ、偶然の産物というか、本当に運が良かったというか。
 ただそれが「偶然の産物」、「幸運」であったことは、依頼人を筆頭に事件の関係者は勿論、当の真犯人ですら気が付いていないはずだ。だからこそ、石動は依頼人からとにかく有難がられ感謝され、東京へ帰ると言い出したところを引き止められ、明日こちらへ着く父(このホテルチェーンの会長だ)がどうしてもご挨拶申し上げたく云々…。
 結局、一晩ご厄介になることになった。
 しかしながら世間は年末年始休暇というこの時期、温泉も湧き出るというこのリゾート地のホテルに空き部屋などそうそうあるわけがない。オーナーは額を床にこすり付けんばかりにして、あいにくこちらしか空いていなくて、と二人を自ら先導した。
 まあ、屋根裏部屋とか物置とかでないなら上等だ。
 そんなことを思いながら後ろをついて行くと、思わぬ一言が追加されたのだ。
「本来なら一番いいお部屋にお泊りいただくべきところを、どうしても昔からのお得意様がお泊りなもので、誠に申し訳ございませんが次のランクのお部屋で…」
 通された部屋は、デラックススイートと銘打たれた豪華で快適そうな(そして間違いなくべらぼうに宿泊費の高そうな)部屋だった。
 有限会社ダム・オックスが三つは入りそうなリビングが海に向いていて、リビングの片隅にはプライベートバーまであり、ベッドスペースは二つも有った。一つはツインで一つはキングサイズのベッドが置いてある。
 思わず黙り込んだ石動とアントニオの二人に、相変わらずオーナーは申し訳なさそうに謝罪を繰り返した。我に返った石動が恐縮し慌てて感謝の意を述べてもそれは続き、とうとうドアから締め出されるようにして立ち去るまで言い訳と謝罪を止めようとしなかった。

「すごいなあ。これで“一番いい部屋”じゃないなんて…。自腹で宿泊したらどれくらいなんだろうな?」
 リビングからの景観とリビングとを交互に眺めながらそう声に出すと、珍しくあちこちを検分していたアントニオが応えた。
「ウチの一ヶ月分の家賃より高いでしょうね」
「そうだよなあ。今からでも東京へ帰らせてもらって、その分謝礼に上乗せしてくれないかなあ…」
「まあ、いいじゃないですか。オーナーの気持ちなんですから。ありがたく泊まらせてもらいましょうよ。それこそ自腹じゃ死ぬまで泊まれないような部屋なんですから…」
 言いながら石動のいるリビングへ戻ったアントニオは柔和な笑顔で続ける。
「お風呂もすごく広いですよ。後で一緒に入りましょう」


 突然持ち出された不穏な提案に石動は反射的に反対したが、
「だって事務所のシャワーは二人だと身動きとれないくらいせまいし、銭湯じゃ何も出来ないじゃないですか。こんな時じゃないと」
 何もってなんだよ、と思いながらも結局言いくるめられ、ルームサービスでの夕食の後一緒に風呂に入り、大方の予想通りそのまま行為になだれ込んでしまった。
 まあ、ベッドでされてシーツなんかを汚すよりよかった(清掃が入ることを思うと気まずいったらない)し、いい香りのするバスルームで暖かいお湯に浸かりながら、キスをするのも悪くなかった。
 風呂付のアパートに引っ越そうか、と頭を過ぎるくらいには。

 広いベッドってのもいいよな。
 なんといっても、こうして自分が目を覚まして体を起こしても彼は安らかに眠っている。これが仮に逆であっても然りだろう。普段アントニオと一緒に眠る時(つまりその、そこである行為をした場合ということだ)は、ベッドの狭さもあって、ほとんど抱き締められている形になる。お互いが夜中にトイレなんかに起きると、どうしたって気付くのだ。はっきり覚醒するわけではないが、睡眠の質を下げていることは間違いないだろう。

 腹ばいになりアントニオの寝顔に近づいた。
 規則正しく胸が上下している。鼻の形が結構いい。唇が少し荒れている。たれ目って目を閉じてるとよくわからないもんなんだな。
 そういえばこれまでこんなふうにアントニオの寝顔を観察したことが無い。行為の後、役割分担?の違いか、どうしても石動の方が先に眠ってしまうのだ。眠りに落ちていく石動の顔をアントニオが優しく微笑みながら見つめていることに気がつくこともあるけれど、あの場合の疲労感と眠気には勝てない。

 ―――そういえば寒いな、と思った瞬間背筋を寒気が駆け上った。これはまずい、という判断は出来たが、対処は間に合わなかった。
 は、ぶしゅ!
 後半は何とか口元を押さえたが、耳元でこんな事態が起きて、アントニオが目を覚まさないわけがない。口元を押さえたままおそるおそるアントニオの寝顔を窺うと、案の定まぶたがぴくりと痙攣し、うっすらと持ち上げられた。ゆっくりと視線が泳ぎ、石動の顔をとらえる。
 石動がごめん、と口に出す前に、寝ぼけ眼のまま掠れ声で
「寒いんですか?」
 と問われた。
 それに答える間もなくするりと背中に回された腕がやわらかく、だがしっかりと石動を抱きしめた。そして、まるで寝ない子供をあやすようにぽんぽんと背中を優しく叩いた。
 まさに人肌に温まった布団というか人肌そのものだが、アントニオの体温はあまりにも心地良かったけれど、それとは相反して、そんなふうにされたことが子供扱いというか、馬鹿にされたような気がするような、なんというか、照れたらいいのか怒ればいいのか、そんな気持ちに翻弄された一瞬の隙にアントニオの寝息は規則正しいものに戻っていた。
 行き場のない気持ちをため息で逃し、石動は(もしアントニオが目覚めているなら絶対にしないことだが)アントニオの胸に顔を埋め小さく呟いた。

 まあ、いいか。あったかいし。

 うっとりと目を閉じ、緩やかに意識を手放す。
 眠りに落ちながら、ベッドの買い替えはひとまず見送ることに決めた。






またも某嶋さんのブログの一文に触発されて書きました。
タイトルも微妙に(微妙じゃねえよ)某嶋さんとこのコンテンツ名とかぶっててごめん…!

石動さんへ。
清掃の方の目を気にされるなら、ツインの片方のベッドにも使用感を出しておかないとあらぬ想像(あるわけですが)をされると思います(笑)。



以下“続き”におまけを。
えっと、18禁…だろうか…。


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忘れてた

1月19日は殊能将之センセーのお誕生日でした。

おめでとうございます。
こんな活動してますが(本当に申し訳ありません)、応援しております。
ファンになって一年も経っておりませんので、新刊を出してくれ、などと言う資格はございませんが、
待ってます
ので、よろしくお願い致します。

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拍手御礼

拍手ありがとうございます。



お返事は続きから。



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拍手御礼

告白すると、拍手する立場でだけいた時は、管理人さんがレスを下さっても、「半分は社交辞令だよね…」なんて思っていました。
が。
私は間違っていました。
拍手やコメントいただくのって、本当に嬉しいです!
頑張ろう!って気持ちになります。

こんなコンテンツの薄いサイトに…。本当にありがとうございます。



お返事は続きから。







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拍手御礼

拍手ありがとうございます。

はははははは。
お返事は続きから。



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わははははは!<年賀状メーカー>

年賀状メーカーをやってみました。

石動さん→アントニオへの年賀状
石動さん→アントニオ


アントニオ→石動さんへの年賀状
アントニオ→石動さん




神じゃね?(笑)
いやもう、ソフトSとかMとか、相性バッチリじゃないですか!!!ぎゃーす!(落ち着け)
“みんな大好き”、とか“謎多き”、てのも当たらずとも遠からず!(私の脳内だけか!?)
一緒に歌いましょう、ってのも、ねえ?
歌えばいいさ!コール・ポーターでもなんでも!歌ったらいいよ!


いやー、素晴らしい。元気出ました(ええっ!?)。
ありがとう「うそこメーカー」さん。
更新頑張ります。
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悩み

私の脳内のアントニオ氏が笛座輪芸化してきて困っています。


初詣の参道で、石動さんが甘酒なんかを買って
「アントニオ、甘酒買っ、あ」なんつって、傍若無人な若者にぶつかられて甘酒を零してしまう。
若者は傍若無人なので謝りもしないで去って行く。
アントニオは「大丈夫ですか、大将?」なんて石動さんに駆け寄る。
その向こうで「オイ、人が倒れたぞ!」みたいな。
(無論倒れたのはその若者)
「今まで普通に歩いていたのに、突然全身骨折だなんて…」
(これはガリレオなら「骨折る」でしょうか、B嶋さん)

さらにその後石動さんは、また人にぶつかられるんだけど、今度は振袖のキレイなお嬢さんでその上、
「本当に申し訳ありませんでした。お怪我はありませんか?」なんて見つめられちゃって、
「いやもう、全然…」なんてデレデレしちゃうのを、アントニオは血が出るほど唇を噛み締めて見ているしかないといい。




馬鹿ですみません。

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拍手御礼

拍手ありがとうございます!

お返事は続きから。




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